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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科41巻8号

1987年08月発行

特集 第40回日本臨床眼科学会講演集 (5)

学会原著

ベーチェット病における黄斑部の細動脈の分布と視力および血小板機能検査との関連

著者: 杉原いつ子1 芳野秀晃1 中村旭男1 生田泰裕1 杉原伸幸2 菅順子3

所属機関: 1山口大学眼科 2山口大学第2内科 3山口済生会病院眼科

ページ範囲:P.927 - P.931

文献概要

 ベーチェット病群,原田病群,対照群の3群に分けて,視神経乳頭径を校正とした関心領域を黄斑部に設定し,その黄斑部領域に対する細動脈の面積の割合を画像解析し,比較検討した.さらに,ベーチェット病群では,視力,血液生化学的検査結果および血小板機能検査との関係を検討した.
(1)3群の群間比較では,面積比はベーチェット病群が平均値で最も低く,対照群に比べ有意に低値であった(P<0.01).
(2)ベーチェット病群では,面積比の低下している例に視力低下傾向を認めた.
(3)ベーチェット病群での白血球数CRP,IgG,IgM,フィブリノーゲン,血小板数は,面積比との関連はみられなかった.血小板機能検査結果で,面積比の低下している例ほど血小板粘着能および凝集能の亢進傾向がみられた.
 ベーチェット病の細動脈病変は,血小板機能亢進による可能性が高いと推測された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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