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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科41巻8号

1987年08月発行

文献概要

特集 第40回日本臨床眼科学会講演集 (5) 学会原著

網膜芽細胞腫患者のエステラーゼDと13番染色体

著者: 箕田健生1 宝来聰2 松永英2 茂木富美子3

所属機関: 1帝京大学医学部附属市原病院眼科 2国立遺伝学研究所人類遺伝部 3東京大学医学部附属病院分院小児科

ページ範囲:P.943 - P.947

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 94例の網膜芽細胞腫患者の末梢血リンパ球の染色体分析と,30例の網膜芽細胞腫患者および,その家族38例の赤血球エステラーゼDの型判定と活性値測定を施行し,以下の結果を得た.
1)家族性網膜芽細胞腫を示す9家系のうち,エステラーゼD検査が遺伝相談に役立つ1家系が認められた.
2)13番染色体異常を示した両眼性,散発性3症例のうち,(q13 q14.3)欠失例はエステラーゼD活性値が正常の約1/2であったが,(q14,1q21.2)欠失例および,13/18染色体転座例(13番染色体切断点q14.1)は共にエステラーゼD活性値は正常であった.
3)したがって,網膜芽細胞腫とエステラーゼDの座位は,13q14.1に局在するが,両者は独立して存在し,その位置的関係は動原体—エステラーゼD-網膜芽細胞腫であると推定される.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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