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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科41巻8号

1987年08月発行

特集 第40回日本臨床眼科学会講演集 (5)

学会原著

副鼻腔から眼窩内浸潤を来した悪性腫瘍例

著者: 中村裕1 平形寿孝1 木村肇二郎1

所属機関: 1慶応義塾大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.949 - P.952

文献概要

 1974年から'85年までの12年間に慶大眼科外来を受診した眼窩腫瘍のうち,副鼻腔から眼窩内に浸潤を来した悪性腫瘍24例について統計的観察を加えた.同期間の眼窩腫瘍は199例で,副鼻腔から眼窩内に浸潤した悪性腫瘍は,眼窩炎性偽腫瘍についで第2位,12%であった.24例のうち,副鼻腔原発の症例が21例,88%を占め,他部位から副鼻腔へ転移,浸潤した続発性の症例が3例,13%であった.病理組織学的診断では,扁平上皮癌および悪性リンパ腫が18例,86%を占めた.副鼻腔原発例21例の腫瘍発生部位は,上顎洞が最も多く16例で,以下節骨洞4例,前頭洞1例であった.眼症状を初発症状とする副鼻腔悪性腫瘍は6例あったが,大部分は篩骨洞,前頭洞由来であり,腫瘍の眼窩内への浸潤や視神経の圧迫によって視力が低下した症例は,眼症状を初発症状とした篩骨洞癌に多かった.5年生存率は50%で予後は不良であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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