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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科41巻8号

1987年08月発行

文献概要

特集 第40回日本臨床眼科学会講演集 (5) 学会原著

眼瞼悪性腫瘍のレーザー局所温熱療法による治療の試み

著者: 安藤文隆1 恒川洋2 大工園則雄4

所属機関: 1国立名古屋病院 2名鉄病院消化器科 3 4SLT-ジヤパン

ページ範囲:P.969 - P.972

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 腫瘍周囲の健常組織を含む広範な切除が必要であり,眼瞼再建術の問題も伴う眼瞼の悪性腫瘍に対し,局所温熱療法を試みた.症例は82歳の女性で,約1年来上眼瞼に腫瘤を触れ,組織検査の結果マイボーム氏腺癌と診断されていた.局所温熱療法には人工サファイア製プローブを用い,連続発振型Nd:YAGレーザー光の低出力(2ワット)断続照射にて,局所を42〜45℃に15分間加温した.
 第1回照射2週間後頃より腫瘍は著明に縮小したが,2週間隔で前後3クールの温熱療法を行った.第1回照射後7カ月現在,周囲組織と癒着しない小腫瘤を眼瞼皮膚上から触れるが,耳前腺等の腫脹など癌腫の転移を思わせる所見は認めていない.また治療後に眼瞼運動障害などの副作用は全く見られず,角膜にも変化は見られなかった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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