icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科41巻8号

1987年08月発行

文献概要

文庫の窓から

眼科錦嚢続眼科錦嚢(1)

著者: 中泉行信1 中泉行史1 斎藤仁男1

所属機関: 1研医会

ページ範囲:P.1020 - P.1021

文献購入ページに移動
 日本の眼科は和蘭眼科書の反訳,ことに「眼科新書」の訳述刊行(杉田立卿訳述,文化12年刊)を契機に急速な蘭法化が進んだが,さらにその精確なことが認識され,蘭医が次々に渡来するにおよんで,眼科手術等が実地に行われるようになると,各地に蘭法眼科,漢蘭折衷眼科が起こり,日本の眼科の洋法化が拡まっていった.文政から天保年間にかけて漢蘭折衷眼科の説と術とを本格的に公示して著わされたのが本庄普一著の「眼科錦嚢」(4巻)と「続眼科錦嚢」(2巻)である.
 「眼科錦嚢」は和漢蘭すなわち日本,中華,和蘭の各書を引證し,萃を抜き衷を折り詳かに薬性を説き,精しく病源を論じ,治療の謬誤を辨破し,方法の禁秘を具載したもので,また,「続眼科錦嚢」は「眼科錦嚢」に漏れた奇病難治の証を具載して其治療法術を考究し,本庄普一門中が工夫,新製して用いた針刀の類一つ一つを図で示し秘蘊を著したものといわれ,この正続眼科錦嚢はいわば眼科治療術を得る最も捷径な眼科書と評価された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら