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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科41巻8号

1987年08月発行

文献概要

連載 眼の組織・病理アトラス・10

角膜上皮層

著者: 猪俣孟1 岩崎雅行1

所属機関: 1九州大学

ページ範囲:P.1022 - P.1023

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 角膜の上皮層は表層外胚葉に由来する5〜7層の上皮性細胞からなる.形態学的に,基底細胞,翼細胞,扁平(表層)細胞の3種類が区別されているが,もとは1種類の細胞で,基底細胞がその基本形である.基底細胞が上皮層の基底部で分裂増殖し(図1),古くなった細胞は徐々に表層に移動する.細胞の移動に伴って形態が変化するので,それに応じて,それぞれ別名がつけられている.基底細胞は1層,翼細胞は2,3層,扁平細胞は2,3層からなる(図2).
 基底細胞は立方形で,細胞の先端部には微絨毛がみられる.隣接する基底細胞相互間に多数の接着斑(デスモソーム)を形成して接合している.細胞内には細胞の骨格となる細糸があり,それが集って束をなす張原線維が接着斑の部位に集っている.細胞の基底部は半接着斑を形成し,基底板を介してボーマン層に接着している.細胞どうしの間に形成される接着斑は,向い合った細胞のそれぞれの半接着斑が接着して一つの接着斑をつくる(図3).基底細胞の細胞間には,ごく少数のリンパ球や角膜知覚神経として三叉神経の末端が分布している.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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