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臨床報告
有茎結膜被覆術が奏功した角膜辺縁溝形成の1例
著者: 松嶋三夫1
所属機関: 1マツシマ眼科クリニック
ページ範囲:P.1033 - P.1036
文献購入ページに移動 慢性関節リウマチを有する78歳の女性の両眼のmarginal furrowsに続発した片眼角膜穿孔の1例を報告した.
Marginal furrowsの名称は角膜周辺部の一部あるいは全周が菲薄化した結果,角膜辺縁に沿って溝形成が生じることから呼ばれている.根治的な治療方法がないとされており,本症例においても保存療法と免疫抑制剤(cyclophosphamide)の使用により寛解が得られていたが,ステロイド剤併用により角膜穿孔を来した.これに対し有茎結膜被覆術を施行し,角膜穿孔の治癒だけでなくmarginal furrowsにも改善が認められた.重症例に対しては輪部帯状結膜除去を単独で行うよりも,輪部帯状結膜除去を併用した有茎結膜被覆術の方が有効であると考えられた.
Marginal furrowsの名称は角膜周辺部の一部あるいは全周が菲薄化した結果,角膜辺縁に沿って溝形成が生じることから呼ばれている.根治的な治療方法がないとされており,本症例においても保存療法と免疫抑制剤(cyclophosphamide)の使用により寛解が得られていたが,ステロイド剤併用により角膜穿孔を来した.これに対し有茎結膜被覆術を施行し,角膜穿孔の治癒だけでなくmarginal furrowsにも改善が認められた.重症例に対しては輪部帯状結膜除去を単独で行うよりも,輪部帯状結膜除去を併用した有茎結膜被覆術の方が有効であると考えられた.
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