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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科41巻8号

1987年08月発行

文献概要

臨床報告

網膜分枝静脈閉塞症に続発した網膜裂孔と裂孔原性網膜剥離

著者: 越生晶1 浅井源之1 宮谷寿史1 谷口康子1

所属機関: 1厚生連高岡病院眼科

ページ範囲:P.1037 - P.1044

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 網膜分枝静脈閉塞症の晩期合併症として発生した網膜裂孔と裂孔原性網膜剥離の9例9眼について検討した.この合併症は分枝静脈閉塞症の4%にみられ,いずれも陳旧性の分枝静脈閉塞症に合併したものであった.網膜裂孔はすべて眼底の中間部に発生し,その成因は,円孔と楕円孔には網膜の虚血が,細隙状および馬蹄型裂孔にはそのほかに硝子体の牽引も関与していた.治療には,裂孔だけの例や網膜剥離が裂孔周囲にのみ限局している例は光凝固が有効で,高度な網膜剥離例ではscleral buckling法がよく,著明な硝子体出血を伴わない限り硝子体手術の適応はない.また無血管野と新生血管に対し光凝固を加えておくのがよい.予後は良好である.網膜の虚血が著しい分枝静脈閉塞症は裂孔が形成される前に光凝固で予防しておく必要がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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