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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科41巻9号

1987年09月発行

文献概要

臨床報告

アシクロビルとγ—グロブリンによる桐沢型ぶどう膜炎の治療

著者: 高橋寛二1 三木耕一郎2 佐伯勝洋1 緒方奈保子1 山田佳苗1 前田英美1 宇山昌延1

所属機関: 1関西医科大学眼科学教室 2関西医大香里病院

ページ範囲:P.1079 - P.1084

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 薬物療法により予後良好であった桐沢型ぶどう膜炎の5例を報告した.症例は20〜40歳台の男性2名,女性3名で,いずれも片眼性で急性期のうちに発見され、発症後早期に桐沢型ぶどう膜炎と診断した.治療にはステロイド剤の大量投与と,γ-グロブリン製剤,アシクロビルの点滴静注を使用した結果,急性期病変の進行停止がみられ,早期に滲出を消褪させることができた.4例は発症4カ月〜2年経過した現在,網膜剥離の発生をみず,1例は網膜剥離の発生をみたが硝子体手術とscleral bucklingにより経過良好である.桐沢型ぶどう膜炎の治療には早期発見がもっとも大切であり,急性期早期の治療法として抗ヘルペスウイルス治療薬であるγ-グロブリン製剤,アシクロビルの点滴静注およびステロイド大量投与は試みられて良い方法と思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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