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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科41巻9号

1987年09月発行

臨床報告

水晶体欠損症の親子発生例

著者: 本倉雅信1 西川憲清1 福田全克1

所属機関: 1大阪大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.1085 - P.1088

文献概要

 親子に認められた水晶体欠損症を報告した.発端者は7歳女性で,両眼の水晶体下方に欠損があり,右眼の欠損は左眼より大であった.36歳の父親には,右眼の下方に水晶体欠損を認め,左眼水晶体には異常を認めなかった.両者の類似性から,水晶体欠損症の発生には遺伝因子が関与すると考えられた.発端者を3年5カ月間観察し,右弱視を健眼遮蔽にて良好な矯正視力を得ることができたが,この間に乱視度数(水晶体乱視)の変化はみられなかった.しかし,近視度数の急速な進行がみられ,これは,成長に伴う過度な眼軸の延長によるものと考えられた.若年者で,他に器質的病変を持たない水晶体欠損症をみた場合は,長期間の視力経過を追う必要があると思われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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