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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科41巻9号

1987年09月発行

文献概要

臨床報告

網膜動脈分枝閉塞症により発見された左房粘液腫の1例

著者: 安間哲史1 田中利昌1 安間文彦2

所属機関: 1名古屋大学眼科学教室 2愛知県済生会病院循環器内科

ページ範囲:P.1089 - P.1094

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 左眼の網膜分枝動脈閉塞症を認めた19歳の健康男子を心臓超音波検査にて左房粘液腫と診断し,左心房内腫瘍摘出術が行われた症例を報告した.この症例では起立性低血圧以外の全身所見は認められず,この起立性低血圧は腫瘍摘出手術後も続いていた.本症例の最終視力は矯正1.5と良好であった.早期診断,早期手術によってのみ完全治癒の可能な左房粘液腫の診断に,眼科医として貢献しうる最も重要なことは,網膜分枝動脈閉塞症あるいは網膜中心動脈閉塞症を若い患者の殊に左眼に見た場合には,心房粘液腫も鑑別診断の一つとして考慮し,疑わしい場合には簡便で,しかも侵襲のない心エコー検査をスクリーニング検査として行うべきであると考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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