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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科41巻9号

1987年09月発行

臨床報告

家庭視力表による3歳児視力スクリーニング

著者: 岸下仁1 川村緑1 武内邦彦2 矢沢興司13 早川芳江4

所属機関: 1順天堂大学眼科教室 2成田記念病院眼科 3矢沢眼科 4東京都福生保健所

ページ範囲:P.1117 - P.1120

文献概要

 3歳児の家庭での視力検査が視力スクリーニングとして有効かどうかを検討するため,3歳児健康診査に「家庭でできる幼児用視力検査表」を用い,視力スクリーニングを実施した.
(1)事前に家庭へ視力表を郵送する方法で,319名中295名(92.5%)に視力検査が可能であった.そのうち,視力0,5を答えられた者は247名(83.7%),視力0.5を答えられなかった者は48名,屈折異常者は8名(2.5%)であった.
(2)3歳児健診当日に視力表を配布・説明し,ハガキにて回収する方法で,実際にハガキを回収できた児は553名中318名(57.5%)と低く今後検討すべき点は多いが,視力0.5を答えられた者は318名中308名(96.9%)と高く視力スクリーニングとして有効と思われた.また,屈折異常は318名中3名(0.9%)に,眼位異常は3名(0.9%)に認められた.
(3)家庭でできる幼児用視力表は実施が容易であり,前者の正答率(視力0.5を答えられた者)は83.7%,後者は96.9%であった.この視力表を保健所における3歳児健康診査のなかに導入することは有意義であると思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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