文献詳細
臨床報告
YAGレーザー照射による前部硝子体切開が奏効した悪性緑内障の1例
著者: 高田百合子1 松村美代1 兜坂法文1 河野隆司1 井戸稚子1 後藤保郎1
所属機関: 1兵庫県立尼ケ崎病院眼科
ページ範囲:P.53 - P.55
文献概要
YAGレーザー治療眼では,術前,細隙灯検査で前部硝子体の厚さがうすいことが確認されたので,レーザー照射が施行された.後嚢切開後,前部硝子体が切開されたところ,後部硝子体腔から房水が前房へ流出し,短時間のうちに深い前房が形成された.
このようなYAGレーザー治療は,必ずしも全例に奏効するとはいえないが,手術的操作の複雑さがなく,外来で簡単に行うことができるため,今後,無水晶体眼の悪性緑内障に対して,手術的治療を行う前に試みるべき有用な方法であると思われる.
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