文献詳細
文献概要
臨床報告
後天性両側性上斜筋麻痺について
著者: 森樹郎1 大平明彦1 後藤公子1 小澤哲磨1
所属機関: 1東京大学
ページ範囲:P.65 - P.68
文献購入ページに移動全例が成人男性であり,4例が交通事故による頭部外傷,1例が炎症に起因すると考えられた.1例は脳外科手術後に発症している.患者は特に下方視において強い複視を訴えるが外見上の眼位ずれ,眼球運動制限は小さい.本症は回旋を伴う交代性上下斜視およびV型内斜視において特徴があり,この2点が診断上有用であった.Bielschow-sky頭部傾斜試験で肉眼的に明らかな陽性を示す例はなく,頭部傾斜による上下の眼位ずれも比較的小さいものと考えられた.
掲載誌情報