文献詳細
文献概要
連載 眼の組織・病理アトラス・24
白血病性網膜症
著者: 猪俣孟1
所属機関: 1九州大学
ページ範囲:P.1116 - P.1117
文献購入ページに移動 白血病leukemiaは未分化な白血球が腫瘍状に増殖する血液の癌である.白血病患者では,網膜,ぶどう膜,視神経,眼窩,結膜などの眼組織に出血や白血病細胞の浸潤,その他多彩な合併症が見られるが,そのうちで網膜と脈絡膜の病変が目立つ.白血病患者にみられる網膜病変を白血病性網膜症leukemic retinopathyと呼ぶ.白血病性網膜症の主要病変は網膜血管の怒張蛇行,出血,白斑,網膜剥離などである.
白血病細胞の増殖によっ血液粘稠度が亢進し,血流は緩徐となってうっ滞し,血栓を形成する.血栓形成による血管内圧の上昇と血管壁透過性の亢進,白血病に随伴する貧血や血小板減少,さらに血管壁への白血病細胞の浸潤などによって,血管壁が破綻して網膜出血が起こる.
白血病細胞の増殖によっ血液粘稠度が亢進し,血流は緩徐となってうっ滞し,血栓を形成する.血栓形成による血管内圧の上昇と血管壁透過性の亢進,白血病に随伴する貧血や血小板減少,さらに血管壁への白血病細胞の浸潤などによって,血管壁が破綻して網膜出血が起こる.
掲載誌情報