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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科42巻10号

1988年10月発行

臨床報告

レーザー線維柱帯形成術とプロスタグランディンズ血液房水柵の透過性亢進と眼圧下降機序

著者: 水流忠彦1 澤充1

所属機関: 1自治医科大学眼科

ページ範囲:P.1155 - P.1159

文献概要

 原発開放隅角緑内障または嚢性緑内障患者22名29眼に対してアルゴンレーザー線維柱帯形成術(ALT)を施行し,術前および術後経時的にフルオロフォトメトリーを行いALTが血液房水柵透過性に及ぼす影響を検討した.そしてALTによる血液房水柵透過性の変化とプロスタグランディンズ(PGs)の関与を知るため,対象を術前および術後3日間のPGs生合成阻害剤であるFlurbiprofen (0.1%)点眼群(FP[+]群,12名12眼)と,非点眼群(FP[—]群,15名17眼)の2群に分けて検討した.FP (+)群,FP (—)群いずれも,ALT術後7ないし14日までは術前に比較して血液房水柵透過性が有意に上昇したが,両群間での比較では,術後14日目までの各時期ではFP (+)群ではFP (—)群に比較して血液房水柵透過性亢進が有意に抑制された.術後14日までのoutflow pressureの下降率はFP (—)群の方が有意に高かった.また,術後早期の一過性眼圧上昇(5mmHg以上)の頻度には両群間で有意の差を認めなかった.PGsは,ALTによる血液房水柵透過性の亢進および眼圧下降作用には密接な関与をしていることが判明したが,術後一過性の眼圧上昇に及ぼす影響については明らかではなかった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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