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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科42巻10号

1988年10月発行

文献概要

臨床報告

ベーチェット病の眼症状に対するシクロスポリン療法の検討

著者: 皆川玲子1 大野重昭1 有賀浩子1 田中邦枝2 平野哲夫3

所属機関: 1北海道大学医学部眼科 2北辰病院 3市立札幌病院腎移植科

ページ範囲:P.1161 - P.1166

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 新しい免疫抑制剤であるシクロスポリン(CYA)を19例のベーチェット病患者に経口投与し,その眼症状に対する治療効果及び副作用について検討した.
 CYAは初期量として5〜10 mg/kg/dayより投与を開始し,症状に応じて増減しつつ2〜37.5カ月間(平均18.5カ月間)治療を継続した.その結果,以下のような成績を得た.1.眼症状に対する治療効果は,著効4例,有効13例,無効2例であった.2.副作用としては,腎機能障害9例(47%),神経症状4例(21%),高血圧は1例(5%)にみられた.3.bromocriptineとの併用によりCYA血中濃度は上昇傾向を示した.4.CYA血中濃度は個人差が大きく,投与量の決定及び副作用発現防止には血中濃度の定期的モニタリングが必要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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