icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科42巻10号

1988年10月発行

文献概要

最新海外文献情報

角膜移植後の連鎖球菌性眼内炎,他

著者: 大石正夫1

所属機関: 1新潟大

ページ範囲:P.1168 - P.1170

文献購入ページに移動
John C Baer et al : Streptococcal endophthal-mitis from contaminated donor corneas after keratoplasty. Arch Ophthalmol 106: 517-520, 1988
 全層角膜移植術後に発症した細菌性眼内炎で,Streptococcus viridansが原因菌であった3症例を報告している.症例は59歳男,63歳女,60歳女で,術後1日〜3日目に発症,前房水,硝子体,donor角膜縁および保存液であるM-K液などからStr. viridansが培養検出されていた.3症例の化学療法,Vitrectomyによる治療後最終視力は,指数弁〜0であった.in vitroの実験でGM 20mg/Lを加えたM-K液中に接種されたStr. viridansは,4℃20時間後も菌数減少がみられなかった.
 これまでM-K液使用donorの角膜移植術後感染の報告は,今回を含めて10症例あり,うちStr. viridans例は4症例である.Streptococcus sp.には近年GM耐性菌が増加していることから,M-K液にGMを加えるだけではStreptococcus汚染の予防には不十分である.今後,保存液中に加えるより適正な抗生剤が検討されねばならない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?