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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科42巻10号

1988年10月発行

文献概要

臨床報告

硝子体注入された気体の問題点—1.硝子体置換された気体の消退

著者: 古川真理子1 高木均1 山本文昭1 上野聡樹1

所属機関: 1京都大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.1181 - P.1184

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 subtotal vitrectomy施行後,眼内気体全置換を併用した難治性網膜剥離症例における眼内気体存在期間および気体吸収に影響を与えると考えられる因子について,統計的に検討を加えた.対象は気体存在期間の明確な113眼で,影響因子として検討した内容は患者年齢,手術経験や手術操作などである.さらに空気単独置換例もSF6及び空気混合置換例における存在期間の相違性についても検討を加えた.検討の結果は,気体存在期間に直接的に影響を与えると思われる因子は見当たらず,例えば眼球容積を増大させる無水晶体眼や,縮小させるプロンベ縫着眼でも有意な変化は認められなかった.平均存在日数は空気全置換例では10.4日であったが,SF6及び空気混合置換例ではSF6の混入量にほぼ比例して気体存在期間が延長した.ただし2ml以上のSF6を混入しても存在期間は有意に延長せず,最長は20日程度であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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