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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科42巻11号

1988年11月発行

文献概要

臨床報告 カラー臨床報告

家族性滲出性硝子体網膜症の3表現型が出現した三世代一家系

著者: 清水由花1 大久保好子1 大久保彰1 大西正一1 金上貞夫1 清水昊幸1

所属機関: 1自治医科大学眼科

ページ範囲:P.1215 - P.1220

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 70歳女性の裂孔原性網膜剥離罹患者を発端者とする家族性滲出性硝子体網膜症(FEVR)の1家系を報告した.家系調査の結果,発端者を含む三世代18例36眼のうち,10例19眼にFEVRに特徴的な網膜硝子体病変を認めた.眼底病変の表現型は,三型すべてを含み,鎌状剥離型が2眼,牽引乳頭型が2眼,周辺部変性型が15眼であった.このうち,周辺部変性型の6眼に網膜裂孔を認め,その存在部位はいずれも耳側網膜周辺部の無血管野であった.最近本症は,若年者の裂孔原性網膜剥離の基礎疾患として注目されているが,若年者のみならず高齢者の裂孔原性網膜剥離の基礎疾患としても念頭におく必要があると考えられた.また同一家系にあらゆる表現型を認めたことから,本疾患の遺伝因子は様々な表現型をとりうることが明らかになった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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