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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科42巻11号

1988年11月発行

臨床報告

増殖性糖尿病性網膜症に対する硝子体手術の視力予後に影響を与える因子の検討

著者: 菅沢英彦1 小椋祐一郎1 木村英也1 桐生純一1 本田孔士1

所属機関: 1京都大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.1231 - P.1237

文献概要

 我々は1983年1月より重症糖尿病性網膜症に対する硝子体手術を開始し,1987年4月までの間に約110症例を経験した.このうち術後経過観察期間が5カ月以上に及ぶ55症例70眼において,入院時所見,インスリン依存性,術前視力,手術適応,併用術式等20因子(術前14因子,術中6因子)が,最終視力0.1以上,0.02以上,及び失明に至った群に与える影響を検討した.
 各因子について統計学的に検討を加えた結果,最終視力0.1以上に有意に関係する因子は,手術適応が硝子体出血であるもの,牽引性網膜剥離の存在しないもの,線維増殖が軽度のもの,眼内タンポナーデを行わないもの,最終視力0.02以上に有意に関係する因子は,インスリン非依存型,手術適応が硝子体出血であるもの,線維増殖が軽度であるもの,眼内タンポナーデを行わないもの,であった.それに対し,失明に有意に関係する因子は,手術時年齢,術前汎網膜光凝固術を行っていないもの,牽引性網膜剥離の範囲が2象眼を越えるもの,であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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