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臨床報告
視床出血にみられる水平眼球運動障害
著者: 長谷部聡1 大月洋1 岡山英樹1 渡辺好政1 児山工2
所属機関: 1岡山大学医学部眼科学教室 2岡山労災病院眼科
ページ範囲:P.1243 - P.1247
文献購入ページに移動photo-electric oculogram (pEOG)を用いて水平眼球運動を検討したところ,3例すべてに,健側向きの衝動性眼球運動の推尺障害(hypometricsaccade)と病側向きの滑動性追従運動の衝動化(saccadic pursuit)を認めた.
したがって,従来報告されているように血腫が中脳背側部へ伸展すると,上方(垂直)注視麻痺を来すが,一方,これら水平眼球運動の障害は,視床に存在する水平眼球運動に関する神経伝導路の障害または制御機構の障害によって生じたものと思われ,視床出血の特徴的な眼所見と考えられる.
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