icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科42巻12号

1988年12月発行

臨床報告

風疹によると思われる急性脈絡網膜症の1例

著者: 石川明1 山口克宏1 芦川祐子1 原敏1 玉井信1

所属機関: 1東北大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.1313 - P.1317

文献概要

 風疹の稀な合併症と思われる急性脈絡網膜症の1例を報告する.本症例では左眼に漿液性網膜剥離を認め,螢光造影において,早期像では多発性螢光漏出点と脈絡膜毛細血管板の充盈遅延が,後期像では螢光漏出部位における色素の貯溜充盈遅延がみられた部位での軽度の過螢光がみられた.また眼症状の直後に風疹の発症がみられ,風疹抗体価の有意な上昇を認めた.これより本症例ではウイルスによるRPEへの一次的な障害に加え,脈絡膜循環障害が存在すると考えられた.眼症はbetamethasone投与に反応し,3カ月後には右1.2,左1.0の視力が得られ,従来述べられてきた風疹網膜症と同じく,良好な視力予後を呈することが示された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら