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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科42巻12号

1988年12月発行

文献概要

臨床報告

手術顕微鏡による網膜光障害—ブラックコンタクトレンズによる遮光効果

著者: 熊谷映治1 根木昭2 深尾隆三3 松村美代4 荻野誠周5

所属機関: 1彦根市立病院眼科 2天理よろづ相談所病院眼科 3京都大学医学部眼科学教室 4兵庫県立尼崎病院眼科 5愛知医科大学眼科

ページ範囲:P.1319 - P.1321

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 既報において,我々は人工水晶体(IOL)移植眼において35%の高頻度に手術顕微鏡光による網膜光障害が発生しうることを報告した.今回はその対策を検討する目的でブラックコンタクトレンズによる遮光効果を検索した.IOL移植後直ちに角膜上にブラックコンタクトレンズを上置した以外,術者・術式・顕微鏡などは前回のstudyと全て同様である.20例について検眼鏡及び螢光眼底撮影(FFA)により術後眼底を詳細に検査したが,先のIOL移植眼にみられた典型的な楕円形の病巣は1例も認められなかった.このことから,既報の網膜病巣は,顕微鏡照明による光障害であることが確認され,その主要因が,IOLによる集光であり,IOL移植後の時相がもっとも危険因子であることが確認された.網膜光障害はIOL移植後の遮光により防ぐことができると結論した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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