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臨床報告
発作寛解後に脈絡膜剥離が生じた原発性急性閉塞隅角緑内障の1例
著者: 浅井源之1 辻口玲子1 谷口康子1 宮谷寿史1 佐々木次壽1 越生晶1
所属機関: 1厚生連高岡病院眼科
ページ範囲:P.1383 - P.1386
文献購入ページに移動脈絡膜剥離の発生には,発作時の著しい高眼圧と脈絡膜のうっ血,その後の薬物療法による急激な眼圧低下,毛様体の障害による低眼圧,炎症反応と血管壁透過性亢進,ピロカルピンの毛様筋収縮作用による上脈絡膜薄葉の解離などが関与し,さらに強膜の厚さと硬性,脈絡膜血管の脆弱性などの個体差も影響したものと考えた.
急性閉塞隅角緑内障が薬物療法により急激に低眼圧となり,極度の浅前房がみられる場合には,脈絡膜剥離の合併がありうることに注意を要し,もし合併していれば上脈絡膜液の排除と周辺虹彩切除術,および前房内空気注入とを併用するのが良い.
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