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臨床報告
Kniest Dysplasiaの1例
著者: 大野敦史1 萬代宏1 松尾信彦1 中山正2
所属機関: 1岡山大学医学部眼科 2岡山赤十字病院眼科
ページ範囲:P.1387 - P.1391
文献購入ページに移動全身的には低身長,独得の顔貌,胸椎後轡と腰椎前轡,肘,膝,足の関節の膨隆と強直,口蓋裂,難聴,中耳炎が認められた.眼科所見では視力は右0.3,左0.02で,両眼水晶体が下方へ偏位し,赤道部と後嚢下に水晶体混濁が認められた.また,硝子体変性,豹紋状眼底,網膜格子状変性がみられ,眼軸長は右28.93mm,左28.95mmと著明に長く,ERGは両眼ともsubnormalであった.7歳の時左眼水晶体摘出術を行い,術後視力0.3を得た.
Kniest dysplasiaはまれな骨系統疾患であるが,視機能を障害しうる多彩な眼合併症を伴うので,できる限り早期から眼科的精査を行い,より良い視機能の獲得と保持に努める必要がある.
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