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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科42巻2号

1988年02月発行

文献概要

特集 第41回日本臨床眼科学会講演集 (1) 学会原著

色素レーザーによる老人性円板状黄斑変性症の治療成績

著者: 高橋寛二1 大熊紘1 宇山昌延1

所属機関: 1関西医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.121 - P.125

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 老人性円板状黄斑変性症45例45眼に対して,色素レーザーによる光凝固治療を行った.波長特性による理論,ならびに我々の行った動物実験成績より,本症の網膜下新生血管の凝固閉塞には,色素レーザーの590nm橙色波長が最適と考えられ,この波長を主として用いた.平均観察期間は6.5カ月で,全例の視力向上率は51%であり,眼底所見を含めた総合判定の成績では全例の71%に改善をみた.特に本症初期の漿液性網膜剥離期の症例15眼には87%に改善をみた.
 波長可変性と凝固組織の選択性を利用することにより,色素レーザーは,今後本症の光凝固療法に,きわめて有用な治療手段となりうることが示された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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