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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科42巻2号

1988年02月発行

文献概要

特集 第41回日本臨床眼科学会講演集 (1) 学会原著

網膜静脈閉塞症の対側眼に見られた網膜静脈閉塞症

著者: 天野良成1 井上幸次1 廣瀬なをみ1 田中康夫1 平木有利子1 原拓1 西川憲清1

所属機関: 1大阪警察病院

ページ範囲:P.135 - P.138

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 1986年7月より1987年6月までに大阪警察病院眼科を受診した網膜静脈閉塞症患者194例のうち,両眼に発症していたものは13例(6.7%)であった.両眼発症例の平均年齢は65.9歳で男女比は4:9であった.両眼に中心静脈閉塞症を発症したもの1例,両眼に分枝静脈閉塞症を発症したもの11例,分枝静脈閉塞症に続き対側眼に分枝静脈閉塞症,中心静脈閉塞症の順に発症したものが1例であった.対側眼に発症するまでの期間は,平均3.9年であった.分枝静脈閉塞症の両眼発症例のうち,病変が対側眼の黄斑に及ぶものが5例であった.これら13症例は全て高血圧症を有していた.対側眼への網膜静脈閉塞症の発症の予防には,血圧の厳重なコントロールが,またその早期発見,早期治療のためには,定期的な経過観察が重要であると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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