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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科42巻3号

1988年03月発行

特集 第41回日本臨床眼科学会講演集 (2)

学会原著

増殖性糖尿病性網膜症による網膜剥離の硝子体手術術直後視力不良例と手術適応について

著者: 橋本哲也1 根路銘恵二1 鈴木水音1 佐川宏明1 竹内忍1 戸張幾生1

所属機関: 1東邦大学大橋病院

ページ範囲:P.227 - P.231

文献概要

 過去3年間に増殖性糖尿病性綱膜剥離200眼に硝子体手術を行い,172眼(86%)に復位を得た.術前視力指数弁以下で術後復位した83眼をもとに,推定剥離期間,網膜剥離形態,増殖血管の程度と術後視力との関連を検討し,手術適応について考察を加えた.
 剥離期間が6カ月以内の症例で,0.01以上の視力改善をみたものは90.4%であったが,13カ月以上の症例では16.7%であった.術後0.01以上の視力回復を得た症例の平均剥離期間は,5.5カ月±3.9月であり,指数弁以下の症例では13.0カ月±7.3月と有位な差を認めた(P<0.01).83眼の剥離形態別での視力予後は,テーブルトップ型が最も悪く,長期間剥離の症例が多いためと思われた.剥離期間が1年以内の症例をみると,豊富な増殖血管を伴うものは視力予後は不良であった.
 増殖性糖尿病性網膜剥離は,視力予後の点から考えると,剥離期間が6カ月以内に手術するべきである.また,黄斑剥離が13カ月以上にわたる症例は,原則的には手術適応外と考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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