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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科42巻3号

1988年03月発行

文献概要

特集 第41回日本臨床眼科学会講演集 (2) 学会原著

両側後頭葉梗塞の早期診断について

著者: 石川弘1 加島陽二1 中野直樹1 北野周作1

所属機関: 1日本大学

ページ範囲:P.233 - P.237

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 10症例の両側後頭葉梗塞を分析し,初診時の所見からどのように早期診断を行うか検討した.その結果,両側後頭葉梗塞の診断は,両眼同時に左右同程度の視力障害が急激に起きること,両側同名半盲の検出,対光反応や眼底などの他覚的所見に異常がないこと,およびCT検査で両側後頭葉に梗塞巣が検出できれば確定する.しかし,実際には初診時からこれらの条件を全て満たす症例は少ない.したがって,1)高齢者,2)高血圧症や心疾患などの血管障害危険因子の合併,および3)片側後頭葉梗塞の既往の確認が,早期診断の決め手となる.とくにCT検査は有用で,初診時片側後頭葉梗塞しか検出できなくても直ちに治療を開始すべきことを強調したい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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