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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科42巻3号

1988年03月発行

文献概要

特集 第41回日本臨床眼科学会講演集 (2) 学会原著

特異な虹彩毛様体炎の組織学的検討

著者: 船田みどり1 広瀬晶1 鎌田光二1 所敬1

所属機関: 1東京医科歯科大学

ページ範囲:P.254 - P.257

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 高眼圧と虹彩萎縮を伴う片眼性の急性虹彩毛様体炎は,ウイルス感染によるものと考えられている.今回,我々も同様の症例を経験し,手術時に得られた虹彩および隅角部の組織学的検査を行い,その病態について検討した.
 電顕により虹彩には肥大化したメラニン細胞が観察され,血管内皮細胞,上皮細胞内に直径150nmの三層構造を有する均一な顆粒が多数認められた.これは形態的にヘルペスウイルス様粒子と考えられた.さらに螢光抗体法で虹彩には単純ヘルペスウイルス抗原の存在が認められた.このことは本症例が単純ヘルペスウイルスの感染による虹彩毛様体炎である可能性を強く示唆するものである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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