文献詳細
文献概要
連載 眼の組織・病理アトラス・17
ぶどう膜悪性黒色腫
著者: 猪俣孟1
所属機関: 1九州大学
ページ範囲:P.280 - P.281
文献購入ページに移動 ぶどう膜悪性黒色腫は,ぶどう膜に発生するメラニン色素をもった悪性腫瘍で,原因は不明であるが,母斑nevusから発生するとされている.とくに脈絡膜からの発生が多い.まず脈絡膜に扁平な円盤状の腫瘤を形成する.腫瘍が大きくなると,網膜色素上皮細胞層を圧迫し,さらに感覚網膜を押し上げて網膜を剥離させる(図1).腫瘍塊はブルッフ膜を破ると,きのこ状に発育する(図2).
脈絡膜の悪性黒色腫では,腫瘍細胞が毛様動脈や毛様神経にそって強膜壁を通って眼窩内に浸潤したり,虹彩や毛様体の悪性黒色腫では,シュレム管を通って眼球外に広がることがある.また,血行性に肝臓に転移して死亡することも多い.
脈絡膜の悪性黒色腫では,腫瘍細胞が毛様動脈や毛様神経にそって強膜壁を通って眼窩内に浸潤したり,虹彩や毛様体の悪性黒色腫では,シュレム管を通って眼球外に広がることがある.また,血行性に肝臓に転移して死亡することも多い.
掲載誌情報