文献詳細
特集 第41回日本臨床眼科学会講演集 (3)
学会原著
文献概要
78例84眼にCoherent社製argon/dyelaser光凝固装置を使い,光凝固を施行し次のような結論を得た.
(1)色素(dye)レーザーはそれぞれ特性を有する577nmから630nmまでの波長を,任意に選択でき,病変の状態により適切な波長を選んで凝固を行えることがdyeの最大の特徴である.
(2)血液による吸収は,波長により著しい差があり,577〜590nmの短い波長は血液に吸収されやすいため,透過しにくく,620〜630nmは血液に吸収され難いため透過しやすい.590〜620nmの間は波長により吸収率が非常に異なる.
(3)577nmはhemoglobinによる吸収が最も良いため網膜表層が凝固されやすく,網膜毛細血管瘤,黄斑部周囲のtelangiectasia, ma-croaneurysmなどの表在性の網膜血管病を,従来のレーザーに比較し視機能への障害が少なく治療が可能である.
(4)適切な凝固条件の選択により,アルゴンレーザー,クリプトンレーザーに比較し,安全にしかも遜色のない十分な光凝固効果が得られた.
(5)最も光凝固の使用頻度の高い汎網膜光凝固の場合,dyeの全波長とも水晶体に混濁のある症例でも,アルゴンレーザーに比較し凝固可能例が多く,しかもクリプトンレーザーに比較し疼痛が少なかった.
(1)色素(dye)レーザーはそれぞれ特性を有する577nmから630nmまでの波長を,任意に選択でき,病変の状態により適切な波長を選んで凝固を行えることがdyeの最大の特徴である.
(2)血液による吸収は,波長により著しい差があり,577〜590nmの短い波長は血液に吸収されやすいため,透過しにくく,620〜630nmは血液に吸収され難いため透過しやすい.590〜620nmの間は波長により吸収率が非常に異なる.
(3)577nmはhemoglobinによる吸収が最も良いため網膜表層が凝固されやすく,網膜毛細血管瘤,黄斑部周囲のtelangiectasia, ma-croaneurysmなどの表在性の網膜血管病を,従来のレーザーに比較し視機能への障害が少なく治療が可能である.
(4)適切な凝固条件の選択により,アルゴンレーザー,クリプトンレーザーに比較し,安全にしかも遜色のない十分な光凝固効果が得られた.
(5)最も光凝固の使用頻度の高い汎網膜光凝固の場合,dyeの全波長とも水晶体に混濁のある症例でも,アルゴンレーザーに比較し凝固可能例が多く,しかもクリプトンレーザーに比較し疼痛が少なかった.
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