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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科42巻4号

1988年04月発行

文献概要

特集 第41回日本臨床眼科学会講演集 (3) 学会原著

緑内障におけるコーヌスの意義

著者: 馬場裕行1 越智利行1 吉川啓司1 井上トヨ子1 井上洋一1

所属機関: 1オリンピアクリニック

ページ範囲:P.373 - P.376

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 緑内障や阻血性視神経症**において,中心視野の障害が比較的早期に先行するものがあり,こうした症例では耳側コーヌスを認める例が多いとの臨床的印象があった.今回はこの印象を証明する目的で,コーヌスと中心視機能との関連を検討した.
 対象 は原発開放隅角緑内障(POAG)241眼,発育緑内障(DG)38眼,低眼圧緑内障(LTG)48眼,阻血性視神経症(ION)63眼,原発閉塞隅角緑内障(PACG)76眼を含む,計431名,861眼である.
 螢光眼底写真の30秒前後でよく撮れたものを選び,耳側における半月状(輪状)の背景螢光のブロックの幅を乳頭の縦径と比較して,T1(〜1/4DD),T2(1/4〜1/2DD),T3(1/2DD〜)のように判定した.Tは耳側コーヌス,Aは輪状コーヌスを示す.
 0.6以下の視力の頻度はT1,T2,T3の順で13%,19%,34%と増加した.A1,A2,A3の場合は20%,47%,58%と大きな差が認められた(650眼での検討).
 オクトパスNo31によって計測された結果をデルタ解析し,0〜10°の平均dB値を求めた.この値が20dB以下の例の頻度はT1,T2,T3で,21%,33%,57%と増加し,A1,A2では33%,61%と増加した.
 以上により冒頭に述べた臨床的印象が証明された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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