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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科42巻4号

1988年04月発行

文献概要

特集 第41回日本臨床眼科学会講演集 (3) 学会原著

角膜屈折手術を併用した人工水晶体移植術 特に角膜術後乱視におけるT cut法の検討

著者: 清水春一1 清水葉子1

所属機関: 1鯖江清水眼科

ページ範囲:P.387 - P.390

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 160°四面切開5針前置結節縫合法(ECC-E+PC-IOL)に角膜屈折手術(T cut法)を併用し,術後角膜乱視の変化から角膜加齢変性の角膜屈折手術に及ぼす影響について検討した.対象は80歳未満の76眼(平均年齢68.2歳)と80歳以上の39眼(平均年齢82.4歳)の115眼で,術後二主径線の経時的変化を測定した.
白内障手術に併用したT cut法は術眼の角膜外側輪部より2mm角膜中央寄りで,角膜縦軸と平行に5mmの角膜切開を加えた.角膜切開創の深さは角膜切開部位測定値の90%を目標とした.術後二主径線の変化は角膜平均乱視度(D)経過日数(月)1 2 3
対象者(76眼)1.8±0.8 1.1±0.5 0.5±0.3
高齢者(39眼)2.15±1.4 2.23±1.4 2.15±1.3
 であり,対象者(76眼)の角膜乱視は術後3カ月まで減少傾向にあったが,高齢者(39眼)の角膜乱視は術後1カ月以後にはほとんど変化が見られず,角膜の加齢変性は角膜屈折手術(T cut)の効果を著しく障害することがわかった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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