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臨床報告
鼻腔腫瘤を伴った巨大な角膜デルモイドの1例
著者: 目代康子1 上野脩幸1 野田幸作1 玉井嗣彦1 相良祐介2 森木利昭3
所属機関: 1高知医科大学 2高知医科大学産科婦人科学教室 3高知医科大学中央検査部病理
ページ範囲:P.429 - P.432
文献購入ページに移動家族が早期の形成手術を希望したので,生後12日目にて右眼球上腫瘤と左鼻腔腫瘤を摘出した.13mm×10mm×10mmで,病理組織学的診断はデルモイドで,皮下に脂肪と結合組織の増殖が認められた.
染色体検査は正常で,家族歴に特記すべきことはなく,真の誘因は不明であるが,臨床的に,右眼の腫瘍は角膜ほぼ全体にみられ,虹彩,水晶体は未発達だが,眼球後部は正常であり,小眼球症も認められなかったことから,胎生期の異常は水晶体形成中(胎生5〜7週頃)に生じたと推定される.術後8カ月経過した現在,両腫瘤に再発はなく,さらに経過観察中である.
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