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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科42巻5号

1988年05月発行

文献概要

連載 眼の組織・病理アトラス・19

軟性白斑(綿花様白斑)

著者: 猪俣孟1

所属機関: 1九州大学

ページ範囲:P.462 - P.463

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 眼底病変において,網膜の1部が混濁し,検眼鏡的に白色または黄白色の病巣として認められるものは,病態のいかんにかかわらず,白斑または滲出斑と呼ばれる.網膜の白斑は軟性白斑softexudatesと硬性白斑hard exudatesに区別される.
 軟性白斑は毛羽だった灰白色を呈し,境界不鮮明な病巣として観察され,綿花様白斑cotton-wool patchesとも呼ぶ.高血圧性網膜症,糖尿病性網膜症,網膜静脈閉塞症,白血病,うっ血乳頭,全身性紅斑狼瘡(SLE)など,種々の疾患で見られる.網膜内層とくに神経線維層の病変で,網膜神経線維の瘤状腫大,フィブリンの集塊,白血球の集塊などが存在する場合に軟性白斑として観察される.軟性白斑の境界が不鮮明であるのは,網膜の神経線維が網膜面に平行に走っているためである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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