icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科42巻5号

1988年05月発行

文献概要

特集 第41回日本臨床眼科学会講演集 (4) 学会原著

巨大裂孔による網膜剥離の手術術式の検討

著者: 高橋政代1 丹尾知子1 松村美代2 荻野誠周3

所属機関: 1京都大学医学部眼科 2兵庫県立尼崎病院眼科 3愛知医科大学眼科

ページ範囲:P.479 - P.483

文献購入ページに移動
 巨大裂孔による網膜剥離49例52眼について復位率を検討した.6カ月の経過観察で,全体の復位率は56%であった.巨大裂孔が難治となる条件として,アトピーに伴うもの,無水晶体眼に発症したもの,男性,裂孔の大きいもの,反転のあるものがあげられ,反対に外傷性のもの,女性,裂孔が小さく反転の無いものは予後が良かった.手術術式を経強膜手術,硝子体手術,ガスタンポナーデ後経強膜手術の3つに分けて復位率を比べると,反転の無い例ではどの術式も復位率に優劣つけがたく,最も合併症の少ない従来の経強膜手術で良いと思われた.反転のある例,180度を越えるような例では,ガスタンポナーデ後の経強膜法が良い復位率を得ており,現在のところ最も優れた方法と考えられた.巨大裂孔の治療に際しては,裂孔の状態に応じて,なるべく侵襲が少なく復位率の良い方法を選ぶべきである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?