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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科42巻5号

1988年05月発行

文献概要

特集 第41回日本臨床眼科学会講演集 (4) 学会原著

ベンズアルデヒドの臨床応用(ベーチェット病の診断における意義)

著者: 池田潔1 本間啓蔵1 奥脇賢一1 宮田幹夫1 石川哲1

所属機関: 1北里大学医学部眼科

ページ範囲:P.491 - P.494

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 ベーチェット病と環境汚染物質との因果関係を調べるため,シンナー(トルエンが主成分)について検討した.1986年2月より1987年7月までに眼症状が増悪し,当科を受診したシンナーと接触のあるベーチェット病と診断された患者25名に対して,トルエンの代謝産物である血中ベンズアルデヒドおよび尿中馬尿酸について検索した.尿中馬尿酸濃度は全例で正常範囲内であったが,血中ベンズアルデヒド濃度は25名中16名で高濃度であった.コントロール群30名中,血中ベンズアルデヒドが高濃度を呈した者はわずかに1名であった.これらのことより,トルエンとの接触またはその代謝障害が直接的に,あるいは間接的に何らかの宿主側の因子を介してベーチェット病の発症に関与している可能性があり,その診断には血中ベンズアルデヒド濃度の測定が極めて重要であると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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