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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科42巻5号

1988年05月発行

文献概要

特集 第41回日本臨床眼科学会講演集 (4) 学会原著

ベーチェット病のシクロスポリン療法について プロモクリプチン併用の試み

著者: 板東康晴1 松田聡1 小木曽正博1 藤田善史1 三村康男1

所属機関: 1徳島大学眼科

ページ範囲:P.495 - P.498

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 難治性のベーチェット病患者におけるシクロスポリン療法の効果および副作用について検討した.当科にて加療中の難治性の眼症状を有するベーチェット病患者13例に対しシクロスポリン投与を行い,うち3例にプロモクリプチンを併用した.これらの症例について臨床経過およびシクロスポリン血清中濃度,血中プロラクチン濃度を検討した.
 シクロスポリンは投与を継続できた9例のうち7例の眼病変に対して有効であった.また,減量あるいは中断時に眼発作を生じた例が7例,眼外症状が悪化した例が2例あった.副作用として4例に血清クロアチニンの上昇,2例に肝機能の一過性の異常,8例に軽症の消化管症状,1例に高血圧,3例に多毛を認めた.プロモクリプチン併用により1例でシクロスポリン減量が容易になった.
 シクロスポリンは難治性の眼病変に対して有効であるが,副作用や減量時の眼発作が問題と考えられ,慎重に投与されるべきである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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