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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科42巻5号

1988年05月発行

文献概要

特集 第41回日本臨床眼科学会講演集 (4) 学会原著

葡萄膜炎患者の硝子体中リンパ球サブセット

著者: 栗山晶治1 砂川光子12 新井一樹1 荻野誠周13

所属機関: 1京都大学眼科学教室 2三菱京都病院 3愛知医大

ページ範囲:P.499 - P.502

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 葡萄膜炎患者4名に対し硝子体手術を施行し,その硝子体中および末梢血中のリンパ球サブセットについてOKシリーズのモノクローナル抗体を用いて比較検討した.
 症例 1(ベーチェット病で黄斑部裂孔を伴う),症例2(ベーチェット病で硝子体混濁が強く網膜剥離を伴う)においては硝子体中と末梢血中リンパ球サブセットは同様の変動を示した.症例3(分類不能の全葡萄膜炎で硝子体混濁が強い)および症例4(桐沢型葡萄膜炎で裂孔原性網膜剥離を伴う)においては硝子体中と末梢血中のリンパ球サブセットには何ら相関関係は認められなかった.硝子体中に認められた細胞は主としてリンパ球で,その他に形質細胞,マクロファージ,線維芽細胞,赤血球,好中球が認められた.これらのことより硝子体中リンパ球サブセットの変動を末梢血のそれと比較することによりblood-retinal barrierの破綻の程度を推測できるのではないかと考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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