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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科42巻5号

1988年05月発行

文献概要

特集 第41回日本臨床眼科学会講演集 (4) 学会原著

白内障手術における縫合糸の評価 ポリグリコール酸糸8-0,9-0,およびシルク糸9-0について

著者: 前田利根1 竹中康雄2 土坂寿行3

所属機関: 1杏林大学眼科学教室 2旭中央病院眼科 3東京女子医科大学第2病院眼科学教室

ページ範囲:P.503 - P.505

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 比較的初心者の執刀による計画的水晶体嚢外摘出術(ECCE)26例31眼を対象として9-0silk糸,8-0 polyglycolic acid (PGA)糸および9-0PGA糸の評価を行った.強角膜はそれぞれの縫合糸を用いて5針の単結紮縫合を行い,術後3カ月間縫合糸周囲の刺激症状および角膜乱視の経時的変化について検討を加えた.各縫合糸を使用した群で,術後1週間目に4から6ディオプターの直乱視が認められたが,この乱視は漸次軽減して3カ月目にはほぼ消失した.乱視の変遷に関しては3種の縫合糸とも同様の傾向を認めたが,術後3カ月目の検査結果,2種のPGA糸に比較し,9-0 silk糸に乱視のばらつきが認められた.また,縫合糸周囲の刺激症状に関しては9-0 silk糸,9-0 PGA糸がほぼ同等の刺激症状を示したのに対し,8-0 PGA糸は術後早期に強い炎症所見が認められた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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