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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科42巻5号

1988年05月発行

文献概要

特集 第41回日本臨床眼科学会講演集 (4) 学会原著

眼感染症サーベイランス情報の解析

著者: 青木功喜 能戸清 沢田春美1 丹羽巽 長屋幸郎 太箸全孝2 鎌田龍二 石川秀夫

所属機関: 1北海道衛生研究所 2名古屋市衛生研究所

ページ範囲:P.525 - P.528

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 1983年から我が国で開始された感染症サーベイランス事業を眼科医のサイドから検討を加えた.現行の患者年齢区分は小児期に偏っており,急性出血性結膜炎の好発年齢層である老人の区分がみられず,眼感染症のサーベイランスには適切でない.アデノウイルスB群による咽頭結膜熱は,eye to eyeの感染よりも飛沫感染と共に,腸管増殖後の便よりの排泄などが感染経路として重要であり,予防対策上注意すべきである.従来少なかったAd4による眼感染症は最近の増加傾向にあり,咽頭結膜熱や流行性角結膜炎の症状を呈するため病因との対比が必要である.Ad8は学校,家庭における集団発生や院内感染の原因であり,潜伏期間が長いことやその増殖スピードが遅いことから,感染する機会が他の型のアデノウイルスよりも多い.眼感染症の新しい病原体としてAd37やコクサッキーウイルスA24の変異株も地域別に増加しており,サーベイランス情報の効率良い運用には,検査定点の活用が不可欠となっている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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