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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科42巻5号

1988年05月発行

臨床報告

家族性滲出性硝子体網膜症と第一次硝子体過形成遺残

著者: 西村みえ子1 山名敏子2

所属機関: 1医療法人浩心会 2九州大学医学部眼科

ページ範囲:P.576 - P.580

文献概要

 家族性滲出性硝子体網膜症(FEVR)に合併したいわゆる第一次硝子体過形成遺残(PHPV)の特徴を検討し,その結果をもとに過去にPHPVと診断された症例を再検討し,FEVRの頻度を検索した.
 FEVRに合併した前部型PHPVは特徴を認めないが,後部型PHPV (鎌状網膜襞)は網膜襞が耳側に多かった.網膜嚢は,新生血管主導型(66.7%)と第一次硝子体主導型(33.3%)とがあり,後部型PHPVの名称は不適当であった.
 過去にPHPVと診断された例のうち,FEVRは,前部型PHPV (疑いを含む)27眼中3眼11.1%,鎌状網膜襞53眼中43眼81.1%を占めた.前部型PHPVには,水晶体後部線維増殖症との鑑別が困難な例や両眼性例が少なくなく,FEVRの頻度はこれより高いと推定された.
 鎌状網膜襞におけるFEVRの診断の要点を述べた.FEVRは前部型PHPV,水晶体後部線維増殖症,鎌状網膜襞の原因疾患として重要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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