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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科42巻5号

1988年05月発行

文献概要

臨床報告

晩発性に急性緑内障発作を起こした後部型第一次硝子体過形成遺残と考えられる1例

著者: 横井則彦1 久山元2

所属機関: 1京都府立医科大学眼科 2京都第一赤十字病院眼科

ページ範囲:P.585 - P.588

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 晩発性に急性緑内障発作を起こした後部型第一次硝子体過形成遺残と考えられる31歳男性の症例について報告した.前部型第一次硝子体過形成遺残に伴う閉塞隅角緑内障は従来より報告されているが,本症例は術後の超音波検査で小眼球症が推察されたが,水晶体後部線維血管膜や毛様体突起の延長は明確ではなく,前部型第一次硝子体過形成遺残の合併を示唆する所見は乏しかった.
 眼底には乳頭から前部硝子体,毛様体近傍に至る硝子体中の索状物を認め,さらに黄斑部領域の色素性の網脈絡膜の変化,および網膜血管の白鞘化などから後部型第一次硝子体過形成遺残に発症した急性緑内障と思われた.
 摘出水晶体は比較的小さいが厚みをもっており,膨脹白内障に,小眼球に伴いやすい浅前房が影響した結果,緑内障発作を招来したものと考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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