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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科42巻6号

1988年06月発行

文献概要

特集 第41回日本臨床眼科学会講演集 (5) 学会原著

HEMAを用いた眼内レンズ(IOGELTM)移植術の検討

著者: 馬嶋慶直1 黒部直樹1 広川仁則1 木全一幹1

所属機関: 1藤田学園保健衛生大学眼科

ページ範囲:P.618 - P.621

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 Alcon社により開発されたHydroxy-ethylmethylmethacrylate (HEMA)を材料とした後房レンズを30名30眼に移植し,その臨床経過を観察した.7眼はEndocapsular Surgeryを用いた計画的嚢外法23眼は水晶体乳化吸引術を施行した後に移植した.このうち13眼はBarrett鑷子を用い,レンズを2つ折にし小切開創より移植した.1)97%が術後3カ月において0.5以上の視力を得た.2)術後6カ月における角膜内皮細胞減少率は12.4%であった.3)術後1年において,移植レンズ表面に細胞性成分を認めなかった.4)血液房水柵への影響は,従来のPMMAを材料とした眼内レンズよりも少ないと推察された.5)視力予後に影響を及ぼす重篤な合併症は認められなかった.
 今後長期にわたる経過観察が必要であるが新しい眼内レンズのひとつとして,有用性があると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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