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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科42巻6号

1988年06月発行

文献概要

特集 第41回日本臨床眼科学会講演集 (5) 学会原著

弱視眼におけるafferent pupillary defectの成因に関する研究

著者: 小笠原孝祐1 妹尾佳平2

所属機関: 1盛岡市立病院眼科 2岩手医科大学眼科

ページ範囲:P.643 - P.647

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 弱視眼におけるrelative afferent pupil-lary defect (RAPD)の成因と弱視の種類による差異を検討する目的で,4歳から20歳までの斜視弱視20名と不同視弱視24名についてswingingflashlight testによるRAPDの定量を行い,その程度と種々の視機能との関係を検討した.また,網膜神経節細胞とその軸索密度に関係するとされる黄斑輪(annular reflex)の大きさに着目し,その左右眼における比較を行いRAPDの有無との関係を調べた.
 その結果,斜視弱視群では屈折性弱視の合併が考えられた1例のみにRAPDが認められたのに対し,不同視弱視群では8例にRAPDが検出された.RAPDと左右眼の視力差,屈折度差との間には相関はみられなかったが,中心視野内の視覚感度の低下(イソプター面積の減少と閾値低下)がRAPDの発現に関与していること,また,RAPDが認められた不同視弱視例では弱視眼の黄斑輪の大きさが他眼に比し有意に小さいことが明らかとなった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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