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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科42巻6号

1988年06月発行

文献概要

特集 第41回日本臨床眼科学会講演集 (5) 学会原著

実質型角膜ヘルペスに対するヒト免疫グロブリン療法—完全分子型とペプシン処理型グロブリンの比較

著者: 西田輝夫1 村上純子1 宮本裕子1 八木純平1 福田昌彦1 安本京子1 大鳥利文1

所属機関: 1近畿大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.649 - P.652

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 実質型角膜ヘルペスで,5日間連続完全分子型グロブリン(GN)点滴療法を行った11眼,ペプシン処理型グロブリン(GV)点滴療法を行った9眼を対象とし,GNとGVの臨床的有効性を比較検討した.点滴開始2週間後に視力が2段階以上改善した症例は,GNでは11眼中7眼(64%),GVでは9眼中5眼(56%)であり改善率には差は認められなかった.しかしGNで治療した方が治療開始後3日目には2段階以上視力が改善した症例が多く認められ治療効果はより早く出現した.角膜実質浮腫消失までの期間を検討すると,GNの場合3日以内に半数の症例で改善が認められ1週間以内に全例で浮腫は消失した.一方,GVでは1週間後に改善する症例が多く認められた.GN点滴の方がより早く臨床所見が改善される傾向があるが,GNもGVも実質型角膜ヘルペスの治療には有効であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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