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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科42巻6号

1988年06月発行

文献概要

特集 第41回日本臨床眼科学会講演集 (5) 学会原著

緑内障性陥凹所見に影響を及ぼす諸因子—陥凹の拡大方向

著者: 伊賀俊行1 勝盛紀夫1 溝上國義1

所属機関: 1神戸大学

ページ範囲:P.657 - P.659

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 "notch"を形成するタイプの乳頭陥凹の最初の陥凹拡大方向を各種緑内障について検討した.原発性開放隅角緑内障(POAG)47名58眼,低眼圧緑内障(LTG)20名24眼,続発性緑内障(SG)9名9眼,偽緑内障(PG)12名16眼について,乳頭を神経線維の方向に従って9の領域に分割し陥凹拡大方向を検討した.POAGでは弓状線維領域への拡大が多かったが,7%は鼻側領域への拡大が認められた.LTGでは全例が弓状線維領域に限局した.SGでは全体にばらつきが多く,鼻側領域への拡大も認められた.PGでは下方弓状線維領域に集中したが,鼻側領域にも認められた.以上よりLTGでは拡大方向は乳頭の特定部分に集中を示し,SGでは逆にばらつきを示した.緑内障視神経障害の一要因として,LTGでは乳頭自身の脆弱性が大きく関与し,これに対してSGでは関与が低く,POAGでは両者の混在が推察された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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