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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科42巻6号

1988年06月発行

文献概要

特集 第41回日本臨床眼科学会講演集 (5) 学会原著

レーザー前房蛋白・細胞測定装置—試作II号機

著者: 澤充1 釣巻穣1 水流忠彦1 清水昊幸1

所属機関: 1自治医科大学眼科

ページ範囲:P.660 - P.664

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 前房蛋白濃度測定を目的とした試作I号機に続くものとして細胞数測定機能を付加したレーザー前房蛋白・細胞測定装置(試作II号機)の開発を行った.本装置はHe-Neレーザー光(出力:蛋白濃度測定時13μW,細胞数測定時78μW)を前房内に集光(7×15μW)し,その散乱光強度を測定用ウインドー(0.3×0.5mm)を通して光電子増倍管にて測定しその信号を,コンピューター処理するものである.オプチカルスキャナーにより蛋白濃度測定時は1次元ビームスキャン(垂直0.6mm),細胞測定時は2次元スキャン(0.3×0.6mm)を行った.血漿希釈液(蛋白濃度7.7g/dl)のin vitro測定結果はフォトンカウント値と濃度との間に有意の相関を認めた(y=1.05×−1.43,=0.983,P=0.000).若年者9例の非散瞳眼の測定値は散瞳眼より高値を示すものの有意差を認めなかったが,老齢者9例では若年者より有意の高値を示した.細隙燈顕微鏡で前房内細胞を認めなかった老齢者群においてフォトンカウントのボアソン分布解析法では平均1235±161.3(/msec),ピーク検出法の平均は0.2以下であり,細胞数測定にはピーク検出法が有用と考えられた.今回の前房蛋白・細胞測定装置は定量的に前房蛋白濃度,細胞数を臨床的に測定しうるものとして有用と考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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